茗荷谷・恵比寿・出町柳(京都)の会員制難関受験専門塾 -エリオ-コラム夏休みにこそ試したい、子どもの自主性を育む5つの“前向きな声かけ”の工夫

夏休みにこそ試したい、子どもの自主性を育む5つの“前向きな声かけ”の工夫

はじめに

夏休みも中盤を迎えました。子どもたちにとっては、学校から解放され、心ゆくまで好きなことに時間を使える楽しみな期間です。一方で、家にいる時間が増えることにより、親御様から子どもたちへ声をかける頻度もおのずと増えることと思います。そんな中で、「子どもにどう声をかければいいか」「つい感情的に叱ってしまう」といったご相談を受けることが少なくありません。

特に小学校高学年になると、子どもは心も体も大きく成長し、大人へと近づいていく過渡期にあります。親からの自立心が芽生え始め、「言われなくても分かっている」という気持ちが強くなる時期でもあります。「宿題はやったの?」「いつまでゲームしているの!」「すぐに片づけなさい」といった、私たち大人がつい口にしてしまう言葉は、子どもを管理し、行動を正そうとする「指示」や「詰問」のように子どもたちは感じてしまいます。こうした言葉は、子どものやる気を削ぎ、時には反発心を生む原因にもなりかねません。保育園や幼稚園では、子どもの自己肯定感を育むために否定的な声かけはNGとされていますが、その考え方は、子どもの自主性を尊重するという意味で、小学校高学年くらいのお子様に対してこそ、より一層重要になると言えるでしょう。

では、どのような声かけが、子どもの自主性を育み、前向きな気持ちにさせるのでしょうか。大切なのは、親が「管理者」になるのではなく、子どもの挑戦を応援する「サポーター」になるという視点です。指示や命令ではなく、「質問」によって本人に考えさせ、行動を促すアプローチが効果的です。以下に、具体的な5つの声かけの例を挙げます。

1.【宿題について】

(つい言いがちな声かけ)「宿題やったの?」
(前向きな声かけ)
「宿題、どんな感じかな?もし、わからない所とか手伝ってほしい所があったら、いつでも言ってね」
→「やったか、やっていないか」の詰問ではなく、進行状況を尋ね、困ったときには助けるというスタンスを示すことで、子どもは安心して宿題に取り組むことができます。

2.【片付けについて】

(つい言いがちな声かけ)「散らかしっぱなしにしないで、すぐに片づけなさい!」
(前向きな声かけ)
「そろそろ夕食の準備をしたいから、あと10分くらいで遊びを切り上げて、机の上を片付けられるかな?」
→「なぜ片付けてほしいのか」という理由と、「いつまでに」という見通しを具体的に伝えることで、子どもは納得して行動に移しやすくなります。

3.【やるべきことを先延ばしにしている時】

(つい言いがちな声かけ)「いつまでダラダラしているの!早くやりなさい!」
(前向きな声かけ)
「今日の計画、どうなっていたっけ?まず何から始めると、気持ちよく進められそう?」
→本人に計画を思い出させ、どうすればうまくいくかを考えさせる質問です。他人から強制されるのではなく、自分で決めたこととして、物事に向き合う姿勢を育てます。

4.【ゲームや動画を見続けている時】

(つい言いがちな声かけ)「またゲームばっかりして!もう終わりにしなさい!」
(前向きな声かけ)
「楽しそうだね!そういえば、お昼に立てた今日の計画だと、ゲームの時間は何時までだったかな?」
→まずは子どもの「楽しい」という気持ちに共感を示した上で、自分で決めたルールを思い出させるように促します。子どもを信頼し、自己管理能力を育むきっかけになります。

5.【勉強で間違えた時】

(つい言いがちな声かけ)「なんでこんな簡単な問題を間違えるの!」
(前向きな声かけ)
「惜しかったね!すごく良いところまで考えられているよ。どこでわからなくなったか、一緒に見てみようか」
→結果だけを否定するのではなく、そこまでの過程を認め、ポジティブに捉えることで、子どもは失敗を恐れずに再挑戦する意欲を持つことができます。

おわりに

夏休みは、生活リズムが乱れたり、宿題が計画通りに進まなかったりと、親御さんにとっては心配事が増える時期かもしれません。
しかし、見方を変えれば、子どもが自分自身の時間を管理し、主体的に行動する力を養うための絶好のトレーニング期間でもあります。
親子で過ごす時間が増えるこの夏休みを、ぜひお子さんの自主性を育む機会と捉え、あたたかい声かけを心がけてみてはいかがでしょうか。それはきっと、子どもの健やかな成長と、より良い親子関係へと繋がっていくはずです。


会員制難関受験専門塾エリオ
エリオ代表/恵比寿校室長/数学
斉藤 隆之

長年にわたり1000名以上の生徒を難関校へ導いてきた受験のエキスパート。海外の大学で学んだ自身の経験と豊富な合格指導経験で、お子さまが自らの意思で学習するよう導いていきます。教科指導から生活指導まですべておまかせください。